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2009年4月 4日 (土)

きみに読む物語

 『朝の散策』に出る前のひととき。

 「どうぞおかけください」年配のご夫婦に促され、私は二人の間に腰を掛けた。そして、子どもの頃の龍神のことや林業の様子などの話をしていた。

 しばらくすると「じつはね・・・」ご主人が話を始めた。

 子供の頃ふるさとを離れたいきさつ、町に出て駅で寝た時期もある、仕事に就き、奥さんに出会い結婚、独立し商売を始め、奥さんと一緒に働き子供を育て・・・・。奥さんは静かに頷いておられた。

 一段落ついて、散策に出た。

Img_6548 

 「お父さん、私なんでこれ持ってるんやろ」

 「それはな、ガイドさんがくれはった、クロモジや。嗅いでみ、ええにおいするやろ」

 「ほんま、ええ匂いがする」

 奥さんからの同じ問いかけに、2回3回といつも同じ調子で応えるご主人だった。

 ゆっくり歩き始めたときから奥さんに向ける、さりげない気遣いを感じてはいたけど、そのわけが分かった。

 そして今日、やっと分かったことがあります。ご主人は私を介して、奥さんにお二人の歴史を話されていたのです。

 

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