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2010年4月

2010年4月28日 (水)

ビスケット

家内の実家の両親は入院中です。 

 おじいちゃんに、おばあちゃんの終わりが近いことを知らせるために洗濯物を持って面会に行った。

 洗濯物の話やら、体調の話をしながらも目的の話はできないでいた。さんざん話した後「おばあは、どうない?」と質問され、ここぞとばかりに様子を伝えた。今からでも病院に外出を頼んでみるがどうかときいたが、すべてお前たちに任すからよろしく頼むという。

 そして、おじいちゃんは部屋に備え付けの家具の引き出しにおさまった、貴重品ボックスを開けた。中にはビスケットが詰まっており、それをかき集めるように取り出し、私の両手にいっぱいくれた。

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 帰り際、おじいちゃんは今度来るとき、カンロ飴と黒糖飴がほしいといった。認知症が手伝っているのでしょうが、こんなとき男と言うものは本当に悲しいものです。

 おじいちゃんと別れ、おばあちゃんが入院している病院に向った。ポケットいっぱいのビスケットを一つずつ口に放り込みながら、おじいちゃんとおばあちゃんのこれまでを思いかえした。

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2010年4月27日 (火)

頼りにしてます

 息子はここ4日で3日御坊のおばあちゃんを見舞いに行っている。「痛いらしい」つらそうに話しながら夕方帰ってきた。もうすぐお医者さんに言われた1ヶ月がやってくるのです。

 家では娘が、おばあちゃんをお風呂に入れてあげている。ちょくちょく失敗しているからきれいに洗ってあげないといけないらしい。勤めが休みの日はおばあちゃんの畑に付き合ってくれている。

 その中で私だけがうまく立ち回っているような気もする。息子や娘を頼りにせず、私も何か役立つことをしなければいけない。

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草引きの途中で地面に転がって休むおばあちゃん

 

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2010年4月26日 (月)

雲彩

 雲が虹のように輝くのを雲彩と言うそうです。

 娘からメールで変な虹が出ていると教えられた。仕事に飽きていたときだったので、みんなを誘って外に出た。

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 写真に撮った後で気付いたことですが、お日様の周りにも笠を被ったように雲彩ができていたのかもしれません。

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 地震でも起こるのではないかと言う人もあったが、迷信みたいな話は気にしたくないのに、気になる。

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 昼休みで家に帰る途中でもみることができたので、けっこう広い範囲で見えたのでしょう。

 この不思議な色彩に比べたら、人の世の中しかも自分の身の周りで起こることくらいどうってことないと思うことにした。誰が名付けたか、私にははじめての『雲彩』、心に残る呼び名です。

 正しくは、雲彩ではなく『彩雲』(さいうん)。しかも今回の現象は『環水平アーク』と呼ぶそうです。私はやっぱり『雲彩』がよい。

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2010年4月23日 (金)

たけのこ

 我が家の孟宗竹の竹藪は狭い場所ですが、地域の道路が中を抜けているので、便利な場所にあります。

 二日前に持てないくらい掘ってきたのに、今日は竹かタケノコか判断に困るほどに成長したものまであったらしい。たくさん出ていて息子が前回の倍くらい掘ってきた。

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 すぐさまおばあちゃんの手紙を添えて親戚に送ったり、近所に配ったりした。残りは皮をはいで茹でるのですがそれがまた大変だったようです。

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 明日も見に行かないと、たくさん出ているかもしれません。このあたりでは、猪の被害で、このようにタケノコを収穫できる竹やぶを持った家はまれです。ですから「タケノコが出てかなわん」は、贅沢な悲鳴です。

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2010年4月22日 (木)

命の器

 御坊のおじいちゃんが今日入院した。その後、別の病院におばあちゃんの様子を見に行った。実家の両親の用事を済ませ家に帰りながら家内と話をしているとき、私の言ったことに「それは『命の器』に書いていたよ」と教えられた。命の器は私の好きな作家宮本輝の短編だったかエッセーだったかの本です。

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 家に帰り、その本の内容を思い出しながら、こうして生きているうちにさまざまな困難が起こってもなんとか解決できていくのは、良い友人や家族に恵まれているからだと思った。

 そのような思いにふけっている時「もう、かわって」と家内が言うから、「はいよ、便座温めといたし」とトイレから出た、「ありがとう、ちょっと臭うけど・・・・」「温めはできるけど臭いまでは責任もてん」と応えておいた。

 気付かないうちにさまざまな影響を受けて人生観は出来上がっていく。良い本に出会うことは、良い友人にめぐり合うことに似ている。

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2010年4月20日 (火)

29回目

 昨日は29回目の結婚記念日でして、町に出て魚屋さんにお願いしていたかつおを持ち帰ってお祝いをしました。

 我が家の特別な日は、田辺の江川にある魚屋さんで魚を買うことにしている。いつも何のお祝いのための魚かを説明して買うのですが、夕方でお客さんが多く話せなかったのが残念だった。

 家に帰る途中で、親友の夫婦にも『頑張れ』って願いを込めて『お福分け』をした。

 そのうちのひとりは、初鰹は女房を質に入れてでも食うと言うのが江戸っ子だがそうはしないのかと言ったが「恥ずかしながら今日ばかりはへそくりの貯金から一万円を出した」と説明した。

 家に帰ると、躓き(つまづき)の日に仲人をしてくれた叔父夫婦の家にもお福分けを届けた。

 家の両親は『今日は何事か』てな顔をして食卓に付くので、「嫁に来てくれて喜んだ日から29年やで」「あの時の嫁がこうなって、随分迷惑をおかけします」と挨拶をしたら、「ふふふ」と苦笑いしていた。そのことを聞いた家内は「だったら赤飯炊けばよかった・・・・」夕ご飯の時まで記念日に気付いていなかったのです。

日々が忙しいのでしょう。

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ウツギの枝の雫

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朝日に輝く杉の雫

 枝や葉を頼りに、いつ消えるかもしれない雫です。

 命ある間は、丸く輝いていたい。

 

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2010年4月17日 (土)

ジョアと蕗とおばあちゃん

寒い雨も上がり良い天気になった。

 こんな日は両親から目が離せない。今日はおじいちゃんが「おばさん、わしが採って来てやるぞ」と宣言して自転車に乗って蕗採りに出た。転ばずにすめば良いがと思いつつ、止めてもきかないのでそのままにして勤めに出た。

 それでは済まず、目を離した隙におばあちゃんが歩いて別方向へ蕗採りに出たらしい。家内が捜索していると、トンネルの歩道にうずくまって寝ているおばあちゃんを発見。たまたま持っていたジョアを見せ「飲む?」この一言で、ストローですいながら車に乗って帰ることになったらしい。

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(おじいちゃんが採ってきた蕗とジョア)

 そして昼に家に帰ってきた私は、蕗をゆでるお手伝いをさせられた。

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 茹で上がったものを水にさらしておいて、

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休むのかと思えば、一緒にとってきたごんぱち(イタドリ)を湯にくぐらせ皮をむき始めた。

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 夕ご飯を食べながら、「トンネルで寝よったら救急車に連れて行かれるで、警察も来るし」子供に言うようなことをおじいちゃんは言いながら「ひとりで行ったらあかんで」と何度もおばあちゃんに繰り返していた。『そのおじいちゃんのことも心配しているのだ』とは言えなかった。

 今度からどこかに行こうとしたら『ジョア』で引き止めるのは効果的だと私たちは学んだ。

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2010年4月14日 (水)

鎹(かすがい)

 『子は鎹』確かに!と思う年頃を私は過ぎました。

 別に子が鎹では持たないというほど夫婦仲がきわどいわけではありません。それぞれの年齢や状況にあって鎹なる存在が夫婦にはあると言うことにやっと気付いたのです。

 昨日の夕食後、私たちのところにおばあちゃん(母)がやってきて「あの~、どう言えばいいか‥」ずっと言葉をさがしているのは分かるのですが、何を言いたいかが私には分からない。廊下に座り込むおばあちゃんに向き合って家内が座り、話し始めるのをずっと待っていた。

私はその間に風呂に入った。出てきたとき、おばあちゃんはいなかった。訊くと「さみしかったんじゃないかなぁ」という。

 またある朝は、「昨日はどうもお世話になりました」おばあちゃんが深々と頭を下げてごはんの席に着くから、何やら分からないまま「いえいえ、どういたしまして」と返事したあとで、用足しの失敗を大騒ぎで片付けたことのお礼だと知った事もある。

 推測でしかありませんが、私がした親への対応で逆に家内が「これは失礼しました」みたいな状況があるかもしれません。

 今、私たちにとって龍神と御坊に暮らす両親が鎹です。

 負担とか苦労を夫婦で分け合うと言うようなものではなく、夫婦で家庭の課題を解決していくことを楽しむのが鎹だとするならわくわくする毎日となる。かな

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家内の作品(娘が愛用中)

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2010年4月13日 (火)

冬を過ごしたやつら

落ち葉の季節を迎えました。

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常緑樹たちが葉を落としています。冬を過ごした後の葉は厚くて重くて、自信いっぱいに音を立てて地面に落ちてきます。

ですから、秋のようなもの悲しさはなくて、明るい落葉です。上を見上げれば、まだまだ空はやさしく明るい。それに合わせるように木々は薄い緑の葉を動かし始めています。

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散歩道を隔てた谷側には、桂が葉をひろげ始めました。

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冬の寒さを過ごしてきたやつらは、いっぱいに春の日を受け輝いています。

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2010年4月12日 (月)

土に触れる

注文していた、高さ40センチの畦波が届き、柳田の畦波を入れ替えました。

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 これは以前からおじいちゃんが計画していたものです。この田は土が多く水をためても、土が水面からすぐに顔を出すので草が稲より茂るのです。

 まずは、先に入れていた30センチの畦波を片付けます。息子はよその仕事を手伝いに出ており留守なので、ひとり黙々と作業をしておりました。

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 「おい、手伝ったろか」娘の大きな声と一緒におじいちゃんもやって来て作業を始めた。娘は予定通りなのですが、おじいちゃんが付いてきたのをうまく作業の仲間に入れるために、芝居をしたのです。

 はじめは良かったのですが、途中からおじいちゃんの動きに『いらいらモード』が見え始め草刈機だの、平ぐわだのといい、手が付けられなくなります。ちょっとしたことにこだわって、人に見られて笑われないようになどと言う意識が出始めるのです。

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 「おじいちゃんのスイッチが入った!」と娘が言うので、「疲れるのを待とう」と返事をしました。必要だと言う道具を用意し、しなさいと言う作業をしてしばらくしたら昼になり、午後は「疲れて田んぼには行けん」なりました。

 ご飯を食べていたら「わしはどうしよう」今度はおばあちゃんです。「柳田に行く?」「そうしようか」午後の部は、家内がおばあちゃんを連れてやって来ました。

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 私は危ない場所以外は手をかさずに自分の作業をしました。そして、夕方にはおばあちゃんと一緒に、計画したすべての作業は終わりました。

 家族の性格はそれぞれですが特別な欲はなく、みんな田んぼや土にかかわって過ごしたいのです。そうするだけで満足感を得るのです。

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2010年4月10日 (土)

ぜんまい

ぜんまいが出始めています。

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家では、ぜんまい用に空いた斜面を管理しています。4月半ば過ぎに収穫を終わりその後出てきたぜんまいは残します。夏の間草が生えてくると、ぜんまいだけを刈り立ち(刈らずに残すこと)ます。

そして秋になって草が枯れたときすべてを刈って斜面をきれいにします。

そして春、ぜんまいが収穫できるのです。

収穫してくると、わたを取り除き、ゆでて、天日に干します。

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干しながら手でもみ、細くします。乾燥が終わると、ヒジキを長くしたような感じになります。

食べるときは水に戻し、あく抜きして煮ます。食べるのは、盆、正月、彼岸など特別な日です。

ぜんまい採りはお母さんの楽しみの一つになっています。

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2010年4月 9日 (金)

土に願いを

久しぶりに良い天気が続き、午後雨が降りそうになったので、息子がもみ蒔きをするための土をとりに山へ行きました。

土をとる場所は、毎年決まっていて、村の中で一番眺めが良いと思っているところです。そこは、夜になると人工の光として見えるのは空を飛ぶ飛行機ぐらいです。

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そのような見晴らしの良い場所で、さらさらの土をいただき、5月はじめその土にもみを蒔き、稲の苗を育てます。

今年もそろそろ、朝は5時過ぎに目が覚めるようになって来ました。体が田んぼモードに切り替わってきたのです。そうして、自然というものにいかに無力かを思い知らされる季節が始まります。

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毎年儀式のように、さまざまな願いを込めながら、この山の土をいただき、家に持ち帰るのです。

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2010年4月 6日 (火)

回転寿司体験

 日曜日家族全員で入院している御坊のおばあちゃんを見舞った。

 龍神のおじいちゃんとおばあちゃんも一緒ですから、ゆっくりゆっくり移動し御坊に着いたのはお昼前だった。そこでおじいちゃんたちに回転寿司を体験してもらうことにした。

 「回転寿司に行ってみる?」ご飯の話になると、おばあちゃんはすぐに「そりゃぁ、行こうこたぁ」(行かなければならない)と言う。普段はお茶碗一杯政策を強いられていますが、今日は羽目を外してもらって食べる食べる。

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 積み上げられた皿を見て、ついにおじいちゃんから「おばあちゃん、ちょいと食べすぎじゃ」とストップがかかって、回転寿司体験は無事に?終了した。

 日曜日にストップをかけたおじいちゃんは「回転寿司ちゅうもなぁ、よっぽど美味いもんじゃったなあ」と言っている。

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2010年4月 5日 (月)

静かに育てて にぎやかに運ぶ

 西の峰の祇園さんの下で樹齢100年を越えるヒノキが伐採され、ヘリコプターで搬出された。

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 「今日はヘリが来て運びょるでー」昼ご飯を食べながらその話を聞いていたら、すごい音がしてヘリコプターが飛び立った。早速カメラを持って家を飛び出した。

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 ヘリは、さとやんの家の前の広場に木を下ろすとすぐさま山に向かいます。

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 材木を吊り上げたり下ろしたりする場所近くでは、その音で目の前にいる人の声が聞こえない。

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 私たちのように、ただ見ているのは良いけど、飛んでる人、フックを掛ける人や運ばれた木を片付ける人は大忙しです。吊り上げておろして吊り上げるという、この一連の作業のサイクルタイムは1分30秒。

 いそがしく、にぎやかにすべてが運び出された山は、また長い時間をかけて静かに木を育てる。

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2010年4月 4日 (日)

早い春

氷点下の朝は先日。庭のコケに付いた露も凍っていた。そばではスミレが咲いていました。

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そのような寒い朝があったと思ったら、早々とエビネランが地面から芽を出し花のつぼみが伸びてきている、それにつられるように去年は花をつけなかったクマガイソウがもう花の準備をしている

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昨春花をつけなかった分、株はいっぱい増えました。

今年の春は早く、いっぺんにやってきたような気がします。

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2010年4月 2日 (金)

おんぶ

 おばあちゃんにおんぶされて育った末娘が家に帰ってきて暮らしはじめました。

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 龍神でのアルバイトも決まり昨日から勤めに出ています。それを一番喜んでいるのは、おじいちゃんとおばあちゃんです。おじいちゃんは毎日そわそわして孫娘に話しかけ、逆におばあちゃんは特別普段と変わりなく過ごしています。

 ただ、おばあちゃんはご飯の後の薬も、畑に行っても、娘の手を借りています。

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 先日、近くの女の子がおばあちゃんを家まで送り届けてくれたと息子から聞きました。おばあちゃんは、たまやへ買い物に行ったけど帰りはとても歩けなくなった。その様子を見て小学生のお嬢さんが手を取って送ってくれたのだそうです。おばあちゃんはその子に何度もお礼を言っていたそうです。

 おばあちゃんが人の手を借りることは、その子をおんぶするのと同じことなのかもしれません。

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2010年4月 1日 (木)

大切な時間

 家内の実家のおばあちゃんが今日から入院することになった。朝の受付から各検査を受け手続きを済ませ入院し、すべてが片付いたのは夕方だった。

 病院で車椅子を押したり、待合室で過ごしたり、点滴を受ける間にさまざまな人の様子が見えた。

 車椅子で待っているおばあちゃんが小さな子供をじっと見ているので「小さな子供がいるとほっとする」と話しかけたら、「ほんまやなあ」と応えたまま見続けていた。

 その幼い子のお母さんは、診療窓口で順番を待っていた。先に受付をしている年老いたほかの患者さんと事務の方のやり取りをずっと待ちながら、時々その子をあやしています。見ているこちらがイライラするくらい、事務の方と窓口に背をかがめたお年寄りの話は続きましたが、次に並んでいる母と子はじっと待っていた。

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 おばあちゃんが見ていたのは、幼い子と一緒に気長に待つお母さんの姿だったのかもしれません。

 世の中に大切な時間は、人それぞれでしょう。私は、親子二人の様子を見ながら、じっと待つとか気長に待つ、そのような静かに待つ時間を子と共有するのがこのお母さんにとって何ものにも代えがたい大切な時間なのだろうと思った。

 

 

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